早津賢二先生と「妙高の粘土と地層学習会」

概要

  • 日程:7月30日 午前8:30~午後6:00
  • 内容、目的:21年度採取した粘土の生い立ちや特徴を、早津賢二先生と現地を回り専門的に学ぶ。資料にまとめ、教材として活用し妙高を知る手がかりとする
  • コース:妙高市内の粘土スポット
    1. 新井北…斐太、三俣
    2. 麻苧田
    3. 笹ヶ峰(とまとで昼食)
    4. 猿橋
    5. 平丸
    6. 小濁
    7. 下濁川
    8. 高床山
  • 参加者:アルネ小濁やきものゼミ
  • 天候:雨

参加者による観察の記録(早津先生監修)

  1. 新井西…斐太、三俣
    1. 矢代川西の断層…高田平野西縁断層帯、2000年に1回くらいの割合で地震をくり返す(写真)
    2. 千草石 ひん岩 加工しやすい
    3. 大貫や滝寺には古代(奈良〜平安)の窯跡遺跡
    4. ローム…火山からとんできた風塵と腐植が積もってできたもの。火山灰や軽石の層を含んでいる 火山の東で厚い 大山(だいせん)、御岳(おんたけ)、立山(たてやま)の火山灰も含まれる(写真)
  2. 麻苧田
    1. 10万年前の渋江川火砕流(写真)
    2. 海底の泥岩が隆起
    3. 地滑り粘土である。…本来別々に堆積した泥岩、レキ岩、火砕流堆積物などが渾然一体になっていることから、”地滑り崩土”に含まれる粘土である。
  3. 笹ヶ峰
    1. 九州の姶良Tn(あいら)火山灰層の観察…9割以上がガラス(写真)
    2. 黒姫の山崩れでせき止められた湖の湖畔に堆積したもの
  4. 猿橋
    1. 平丸入り口で観測された断層…断層破砕帯(縦横に断絶)(写真)
    2. 道路工事側面の地層を観察…海底で堆積→隆起→上部に川の堆積物(砂利)
    3. ↑対面の川向こう…猿橋礫層(下濁川の砂利採石と同じ層。月長石が採れ、北アルプスからの大河の堆積物である証)
  5. 平丸
    1. 白岩付近の凝灰岩、海の底で堆積した火山灰(北アルプス由来か)が馬の背状に隆起。隧道ずいどう〜下平丸〜上平丸〜屏風岩(びょうぶいわ)〜木曽清水の間で、新〜旧〜新の地層を観察できる
  6. 小濁
    1. 地滑り粘土である。
    2. 小濁〜坪山間の地滑り箇所…色の黒い泥岩の粘土化したものが地滑りの原因の一つ。ゆっくりと崩れた形跡(写真)
    3. 各地に地滑り跡の地形が残る
  7. 下濁川
    1. 鴻ノ巣遺跡付近…礫層と交互に粘土層がある(写真)
  8. 高床山
    1. 地滑り性の粘土。同様の地層が広く分布(写真)
先生のアドバイスなど
  • 粘土を探すには、沢を登るとよい(断面を確認できる)
  • 砂はたくさんの水を換えながら洗い、顕微鏡で観察するとよい
  • 粘土は地上で安定した粘土鉱物である。粘土化の度合や砂などの混入状態は様々である
  • 妙高の粘土は大きく分けて、「地滑り堆積物の中のもの」「(川などで運ばれた)粘土堆積物」「火山灰の風化物」「断層破砕帯の粘土」に分類できる
  • 軽石・スコリアは、マグマ岩が発泡してできたもので、軽石は白っぽく、スコリアは黒っぽい。スコリアの酸化したものは赤い

学習のまとめと感想

  • 粘土の由来がおぼろげながら解り、たいへん勉強になった。
  • 粘土はとても大きな時間の流れの中で生まれてきたもので、人の手と熱によって再び溶かされやきものとなる姿に改めて感動をおぼえた。
  • 地球の歴史の中では、たいへん大きな環境や地形の変化がありそれを体験していない私たちは土や石からそれを知ることができ、地学とは素晴らしい学問であることが実感できた。
  • 妙高の自然に親近感を持つとともに、今後、火山の妙高山と共に暮らす価値観に目を向けていきたいと感じた。地元の土を焼く意味を実感できた。

この地域の粘土の産状

  1. 地すべり崩土(ほうど)に含まれる粘土
  2. 海・湖・川に堆積した粘土
  3. 火山灰(凝灰岩)の風化した粘土(ロームもこの中に入る)
  4. 断層破砕帯の粘土
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